借金の一括返済の有効性

借金を返す場合の方法としては、「分割返済」と「一括返済」が考えられます。
分割返済とは、借りたお金(元金)と利息とをそれぞれ分割して返済すること。
一括返済とは、元金と利息とを一括して返すことをいいます。

「いつまでも借金が残っているのは気に掛かる」
「今のところ手持ちの現金に余裕があってお金を返したい」
「借金をしていることで利息も払い続けなければいけない」

このような悩みをお持ちの方は、借金を一括で返したい、と思われるかも知れません。
借金を一括で返済することのメリットとして最も大きなものは、「払う利息が減る」ということです。
利息額というのは、多くの場合、次のような計算式で表されます。

【利息額=元金額×金利(利率)×借入期間】

ですから、借り入れる期間が短ければ短いほど、利息額は少なくなるのですね。
逆に、分割返済の場合だとなかなか元金が減らないので、払うべき利息も高くなるのです。

貯金が減ることのデメリット

しかし、一括返済にデメリットはないのでしょうか。
実は、まったくないわけではありません。
借金を一括で返すことの問題点は、それによって一時的に貯金が減ってしまうことです。
手持ちの現金がなくなってしまうことで、様々な問題が生じる可能性もあります。

たとえば、急な結婚式や葬式の予定が入るかも知れません。
あるいは、どうしても今手に入れておかないと困るものが発売されるかも知れません。
飲み会や懇親会といったイベントが突発的に生じることもあるでしょう。

こうした場合に、ある程度手持ちのお金に余裕を持たせておかないと、対応できないことがあり得るのですね。
そもそも分割返済という方法があるのは、一度に大きな負担を背負わないようにするためです。
急にお金が必要になった時に備えるための保険のようなもの、とも考えられるでしょう。

借金はバランス良く返済を

このように、一括返済には「払う利息が減る」というメリットはあります。
ですが、その反面「貯金が減ってしまう」というデメリットもあるのです。
長い目で見れば、支払う利息が減るのは良いことのように思えます。
ただ、短期的には、貯金が減ることによって、いざという時の備えが薄くなるという危険性もあるのですね。

一括返済にも分割返済にも、メリットとデメリットがそれぞれあります。
支払うべき利息の額の減少と、万一の時の備え。
これらを両立させるためにも、借金はバランス良く返済していくことが大事です。
返済方法については、自分に合ったものをしっかりと考えてみてください。